
アバルト500/595用ハイパフォーマンスプーリー、発売当初より大変好評頂いております。ありがとうございます。
今回は、ハイパフォーマンスプーリーとは何なのか?を記事にしてみたいと思います。
珍しく少し長くなりますが、お時間ある方はお付き合いください。
アバルト500/595のクランクプーリーはパルスローター一体式になっています。
パルスローターとは、ECUに、今クランク角がどの位置にいるのかを、エンジンが回転している間、常に信号を送っています。
ECUとは、点火機構、燃焼機構、吸排気系統、動弁機構、始動制御等、エンジンに対するほぼ全ての制御を行っています。エンジンの頭脳ともいえるべき場所です。パルスローターからクランク角の位置情報をキャッチし、点火時期等、上述した機構へとエンジンを動かす為の指令を出し、エンジンを動かしています。
その
ECUを「騙す」ことで、パフォーマンスを向上させるのが、このハイパフォーマンスクランクプーリーです。
詳しく説明しますと、
純正のクランクプーリーは、当たり前ですが、そのまんま普通にプーリーを車体に取り付ければ、正常な状態です。新車で購入した状態と同じ状態です。
このハイパフォーマンスクランクプーリーは、
車体に取り付ける際の取り付け穴と、プーリーの位置決めをするノックピンの穴が、純正のプーリーよりも3°動くように長穴に設計しております。
ここに「ハイパフォーマンス」の秘密があります。
純正プーリーよりもプーリーの位置を3°ずらすことで、パルスローターも3°ずれます。そうすると、3°分進んだ状態でECUに信号が伝わります。
ここで、ECUを騙している、嘘の位置情報を与えているということです。
そして、ECUが3°分早く、上述の機構へ通常の指令を出すことによって、点火時期等全てのタイミングが3°分早く実行されます。ノーマルのECUならば、3°程度のズレならECUは気付きませんので、エラーも出ません。
ECUの書き換えやサブコン導入などのチューニングをせずとも、ドライビングパフォーマンスを向上させることが出来ます。
具体的には、レスポンスの向上、出力のアップ(シャーシダイナモでも確認済)、また、シャーシダイナモでも測定できない低回転時にトルクアップを体感できます。
ブーストのかかってない状態でトルクアップしていますので、一般道、高速道路等、スロットル低回度で、とても乗りやすくなります。スロットルを全開せずに走行できるので、当社のテスト車両では燃費も約10パーセントほど向上しました。(ただし、ハイオクガソリンでの計測です。レギュラーガソリンは使用しないで下さい)
どのような仕組みでハイパフォーマンスが実現するのかご理解いただけたでしょうか?
因みに、こちらのハイパフォーマンスプーリーは、取り付け方法により、純正プーリーと同じタイミングにすることも可能です。下記取り付け方法で説明します。
○取り付け方法
3°進める場合と、純正プーリーと同タイミングにする場合があります。(純正プーリーと同じタイミングにする方は少数派かと思いますが・・・)
・3°進める場合ハイパフォーマンスプーリーを車体に取り付ける際、取り付け穴(長穴)とプーリーの位置決めをするノックピンの穴(長穴)を、車体にあてがい、
正面から見てプーリーを右回転(時計回り)に回します。こつんと当たったところで取り付けボルトを締めれば、純正よりも3°タイミングが進む状態になり、
ハイパフォーマンスプーリーの本領発揮です。
・純正プーリーと同タイミングにする場合ハイパフォーマンスプーリーを車体に取り付ける際、取り付け穴(長穴)とプーリーの位置決めをするノックピンの穴(長穴)を、車体にあてがい、
正面から見てプーリーを左回転(反時計回り)に回して、こつんと当たったところで取り付けボルトを締めれば、
純正プーリーと同じタイミングになります。(純正プーリーと同位置になります)
因みにですが、純正のプーリーでも、ノックピンとノックピンの穴にはクリアランスがありますので、純正プーリーでも1°程は動きます。
また、アルミニウムで製作することにより軽量化にも成功しています。

純正プーリー:1321g

ハイパフォーマンスクランクプーリー:708g
最後になりますが
※注意事項※です。
こちらのハイパフォーマンスプーリーはノーマルのECUの車両にてテストを行い、3°ずらしてもエラーが出ない、車両に悪影響が出ないことは確認済みですが、ECUを書き換えてある車両、サブコン等で点火時期が純正とは違う車両等では、ハイパフォーマンスプーリーのテストは行っておりません。ECUを書き換えてある車両、点火時期が純正とは違う車両に、ハイパフォーマンスプーリーを装着し、3°進めて組む場合は、自己責任でお願い致します。ノッキングが出ればノックセンサーが作動するはずなので大丈夫だとは思いますが、サーキット走行など高負荷が連続する場合には、ノーマルタイミングでお願い致します。